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バリオン数生成を可能にする理論があるとすれば、それは前に述べた3つの条件を満たさなくてはなりません。
と言われるものです。 大統一理論はまだ確証された理論ではありません。そして唯1つの理論ではなく、大統一する(3つの相互作用を統一する)理論には幾つも候補が考えられています。これらの候補はいずれも、ある条件下で3つの相互作用を導くことが出来、数学的な矛盾を含まない理論です。従って現在の実験では排除できない多くの理論が生き残っています。
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大統一理論はバリオン数生成の可能性が初めて真剣に研究された理論でした。しかしX粒子の存在の代償として深刻な問題も抱えています。
陽子の寿命なんてどうやって計るのでしょう?粒子の崩壊は量子論に従って確率的に起こりますので、1033個の陽子を集めておいて1年間1個も崩壊するのが見つからなければ「寿命が1033年以上」と言えます。水分子1個には水素原子2個が含まれますので、水を沢山貯めておいてじっと陽子が崩壊するかを見るのです。この実験は岐阜県にある神岡の地下実験施設で行われています。今ではその実験施設はニュートリノ振動の観測で有名ですが、建設当初の1つの大きな目的は陽子崩壊の観測だったのです。
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