MacTeXを使う際の設定メモ



TUG(TeX Users Group)が配布しているMacTeXを利用する際のTeXShopの設定とpdfファイルを出力するときに埋め込む日本語フォントの指定法を記述します。

MacTeXパッケージをインストールしているとします。

  1. TeXShopの設定
    TeXShopアプリケーションの「環境設定」のタブから下記の項目を設定します。
    書類 設定プロファイル: pTeX (Shift-JIS)
    エンコーディング: Unicode (UTF-8)
    タイプセット デフォルトのコマンド: LaTeX
    デフォルトのスクリプト: TeX + DVI
    内部設定 パス設定:デフォルトのまま(TeX = /usr/texbin, Distiller(gs) = /usr/local/bin)
    TeX+dvips+distiller:
    TeX = ~/Library/TeXShop/bin/eptex2pdf-utf8
    LaTeX = ~/Library/TeXShop/bin/platex2pdf-utf8

    「内部設定」で指定した「eptex2pdf-utf8」等は下記のスクリプトです。TeXShopのインストール時に作られるユーザのディレクトリ以下にある「Library/TeXShop/bin」に次の内容のファイルを置きます。
    eptex2pdf-utf8
     

    #!/bin/sh

    export PATH=$PATH:/usr/texbin:/usr/local/bin

    COMMAND=${0##*/}
    PTEX=${COMMAND%2pdf-*}
    ENCODE=${COMMAND#*-}
    JOBNAME=${1##*/}
    JOBNAME=${JOBNAME%.*}

    eptex -kanji=$ENCODE -progname=$PTEX $1 && \
    dvipdfmx $JOBNAME

    platex2pdf-utf8
     

    #!/bin/sh

    export PATH=$PATH:/usr/texbin:/usr/local/bin

    COMMAND=${0##*/}
    PTEX=${COMMAND%2pdf-*}
    ENCODE=${COMMAND#*-}
    JOBNAME=${1##*/}
    JOBNAME=${JOBNAME%.*}

    eptex -kanji=$ENCODE -progname=$PTEX $1 && \
    dvipdfmx $JOBNAME


  2. フォントマップの作成
    MacOS 10.11 (El Capitan)以降、フォントファイルの形式が変更されました。(.otf -> .ttc)
    そのため、以前記した下記の方法では対応できなくなっています。ファイルの構成とmap fileをしらべて手動で設定しても良いのですが、現在は簡単な方法が提供されていますので、以下のリンク先をご参照ください。

    TeX Wiki ヒラギノフォント


    以下の設定はMacTeXが含むpTeX/pLaTeXで、Mac OSが持つ日本語フォントをpdfファイルに埋め込むためのものです。/usr/local/texlive/texmf-local/以下に独自の設定を行います。

    現在のMacTeX(TeXLive)では、スクリプトが用意されて設定が簡単になりました。


    > sudo kanji-config-updmap-sys hiragino


    hiraginoの部分は、マップファイルが用意されているフォント名が来ます。マップファイルの確認は、


    > updmap-sys --listmaps
    > updmap-sys --listavailablemaps



    /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype
    を作り、そこににシステムが持つフォントファイルへのシンボリックリンクを置きます。root権限が必要です。(またはsudo)

    1. システム・フォントへのシンボリックリンク
      /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentypeに、例えば以下のようにしてフォントファイルへのシンボリックリンクを張ります。

      > ln -s /Library/Fonts/"ヒラギノ明朝 Pro W3.otf" HiraMinPro-W3.otf
      > ln -s /Library/Fonts/"ヒラギノ明朝 Pro W6.otf" HiraMinPro-W6.otf
      > ln -s /Library/Fonts/"ヒラギノ角ゴ Pro W3.otf" HiraKakuPro-W3.otf
      > ln -s /Library/Fonts/"ヒラギノ角ゴ Pro W6.otf" HiraKakuPro-W6.otf


    2. ここでls-Rファイルを更新します。root権限が必要。(またはsudo)

      > mktexlsr


    3. マップファイルの一括書込み
      以前はマップファイルのソースを編集して、日本語フォントとして上記のotfフォントを使うように設定してからupdmap-sysを実行していましたが、現行のMacTeXでは/usr/local/texlive/20**/texmf-dist/fonts/map/dvipdfmx/jfontmaps/以下にソースが置かれています。
      ヒラギノフォント指定する場合には、以下のオプションを付けて、root権限でupdmap-sysを実行します。

      > updmap-sys --setoption kanjiEmbed hiragino

      設定の確認は次のように行います。

      > updmap-sys --showoption kanjiEmbed

      旧いupdmapについては、日本語フォントの埋め込みを参照してください。

    4. MacTeXを新しいバージョンに更新したときは、再度、iii.のマップファイルの作成を行います。

以上です。


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