力学C
種別 専門必修科目、2単位
教育目標 物理学は多様な自然現象の中から普遍的な法則を導き出すことを目的としている。解析力学は法則を定式化する際に、対象となる力学変数(質点の位置座標、剛体の回転角など)の選び方に依存しない形で法則(=運動方程式)を導出する。また、その過程で保存則がいかに導かれるかが明らかにされる。
本講義では解析力学のラグランジュ形式を学び、Newtonの運動方程式では見られなかった運動法則の普遍性を理解することが目標である。具体的には
  • 一般化座標で表したEuler-Lagrange運動方程式をNewtonの運動方程式から導出する
  • Euler-Lagrange運動方程式を変分原理から導出する
  • ラグランジュ函数と保存量の関係を付ける
履修上の注意 各自講義ノートをダウンロードして用意すること。入手方法は第1回の講義の時間に説明する。
講義ノートに掲載している演習問題を解くこと。
授業概要 上記教育目標を達成すると、電磁気学でさえ解析力学の応用例であることが理解できるが、初めは質点や剛体などの簡単力学系を対象として、運動方程式を任意の座標系で書き換えることから始める。
その書き換えられた運動方程式(Euler-Lagrange運動方程式)が、変分原理というより普遍的な原理から導出されることを見る。
またラグランジュ函数のある変換の下での不変性と保存量に関係があることを見る。
授業予定 第1章 Lagrange形式
1.1 一般化座標
 デカルト座標での運動方程式と極座標での運動方程式
 一般化座標と運動方程式

1.2 Lagrangian
 Lagrangianの定義とEuler-Lagrange運動方程式
 重心座標と相対座標

1.3 変分原理
 変分法の一般論
 変分法の応用例
 作用積分と仮想変位
 Hamiltonの原理とEuler-Lagrange運動方程式

1.4 拘束系
 拘束があるときの仮想変位と変分原理
 Lagrangeの未定乗数法
 応用問題

1.5 対称性と保存則
 運動方程式と積分としての保存量
 サイクリック座標
 Noetherの定理
 応用例:運動量、角運動量、エネルギー保存則
成績評価基準 中間試験(30%)と期末試験(70%)を総合して判定する。
単位取得状況 登録者数:73 合格者数:24 不合格者数:42 単位取得率:0.329 (2004)
登録者数:90 合格者数:52 不合格者数:31 単位取得率:0.578 (2005)
登録者数:86 合格者数:48 不合格者数:30 単位取得率:0.558 (2006)
登録者数:79 合格者数:56 不合格者数:17 単位取得率:0.709 (2007)
登録者数:69 合格者数:38 不合格者数:23 単位取得率:0.551 (2008)
関連リンク 講義ノートのダウンロード
授業評価
改善計画
2006

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