XeLaTeXを利用したプレゼンテーション



XeTeX/XeLaTeXは、UTF-8に対応したTeX/LaTeXで、多言語対応しています。また、texファイルからdviを経ずにpdfファイルを作成します。
元々MacOS X上で開発され、OSが認識するフォントをtexのフォントとして利用できるので、多書体を容易に使うことが出来ます。MacOS X版の他、LinuxやWindows版のバイナリ・ファイルが提供されています。これらのファイルは下記のサイトから入手できます。

オリジナルのサイト http://scripts.sil.org/xetex
MacOS X用バイナリ (MacTeXの一部) http://www.tug.org/mactex/
Windows用バイナリ http://www.fsci.fuk.kindai.ac.jp/kakuto/win32-ptex/web2c75.html

XeTeX/XeLaTeXは開発中で、日本語の禁則処理など未完の部分もありますが、プレゼンに使うのであればそれほど支障は無いと思います。

pTeXとXeTeXの共存について

XeTeXは日本語処理についてはpTeXほど完成度が高くないので、日本語がメインである文書を作る際はpTeX/pLaTeXを使用し、プレゼンのためにXeTeX/XeLaTeXを利用するという使い方をするのであれば、両者をインストールしなければなりません。
MacOS Xの場合には、それぞれ別のディレクトリに置かれるので、ディスクの容量を気にしなければ、全く問題はありません。

pTeX: /usr/local/bin/usr/local/share/texmf
XeTeX:
/usr/texbin/usr/local/texlive/

それぞれを、TeXShopから使う方法については下記を参照して下さい。

このページでは、インストール済みのXeLaTeXを用いてプレゼン用pdfファイルを作成する方法を紹介します。MacOS X上のXeLaTeXとTeXShopの使用を仮定していますが、他のOSについても参考となる事項もあるでしょう。プレゼンのためのlatexファイルの作成法については、「LaTeXを利用したプレゼンテーション」を参照してください。

以下では次のパッケージを使用します。

foiltexはプレゼン用のクラス・ファイルで、使い方は「LaTeXを利用したプレゼンテーション」で説明しています。デフォルトのフォントを20pt等と大きくし、romanフォントとしてsans serifを使うことでプレゼンに適した見やすい出力を作成するのに適しています。
fontspecはxelatexで、フォントの指定を容易にするパッケージです。使い方については付属のドキュメントやここを参考にして下さい。また、以下のサンプルを見れば、大体の使い方は分かると思います。

元来TeXには\fontというコマンドがあり、書体と大きさを定義していた。LaTeXの普及とともにあまり使われなくなったが、LaTeXを使わない場合は、

\font\lroman=cmr12 scaled \magstep1

等とプリアンブルに記入しておいて、本文で、フォントを切り替える箇所に\lromanなどと書いていました。
fontspecはこのようなフォントの指定を簡単に出来るマクロです。


1. LaTeXファイルの作成
日本語対応のTeX/LaTeXとして、pTeX/pLaTeXを使う人が多いと思いますので、pLaTeXと比較しながら説明します。

pLaTeX
XeLaTeX
documentclass jbook, jreport, jarticle, など book, report, article, など
日本語コード Shift-JIS, EUC (pLaTeXのシステムによる) UTF-8
フォント(英文) LaTeXと同じ、cmrなど cmrの他、任意の利用できるフォント
フォント(和文) デフォルトは明朝フォント、ボールド・フェイスはゴシック・フォント(rml, gbm, rmlv, gbmv) システムが認識できるフォント
フォント・ファイル $TEXMF/fonts/
日本語フォントはdviwareの設定(map)にてシステムフォントが利用可能
$TEXMF/fonts
システムのフォント・フォルダ内のファイル
生成されるファイル dviファイル pdfファイル


foiltexを使ったカラーのプレゼンファイルの作成法は既知であるとして、フォントの指定法を中心に説明します。まずサンプルファイルを見て下さい。texファイルはUTF-8コードで書かれていることが必要です。また、色の定義のために、colordef.texを読み込んでいます。

\documentclass[20pt, landscape]{foils}
%
\usepackage[dvipdfm]{graphicx}
\usepackage{color}
\usepackage[cm-default]{fontspec}
%
\input colordef.tex


1行目のdocumentclassでfoiltexを指定し、文書のレイアウトをランドスケープ(横置き)にしている。そのためにtexファイルでページ・レイアウトを指定しています。(この数値は好みに応じて変えてください。)

graphicxパッケージのオプションをdvipdfmとしています。これは、epsファイルを図として取り込む際に、Ghostscriptによりpdfに変換させるためです。全ての図をpdfとする場合は、

\usepackage[xetex]{graphicx}

とします。

fontspecのオプション cm-default は半角英数字として使うフォントをCM系にすることを意味しています。式を多用する場合はこれを指定すると良いでしょう。
その後に、フォントの指定が来ます。

\def\minc{\fontspec[Scale=0.95]{Hiragino Mincho Pro W3}}
\def\bmin{\fontspec[Scale=0.95]{Hiragino Mincho Pro W6}}
\def\bgoth{\fontspec[Scale=0.96]{Hiragino Kaku Gothic Pro W6}}
\def\goth{\fontspec[Scale=0.96]{Hiragino Kaku Gothic Pro W3}}
\def\mgoth{\fontspec[Scale=0.95]{Hiragino Maru Gothic Pro W4}}
%
\def\lucidacal{\fontspec{LucidaCalligraphy-Italic}}
\def\lucidahwl{\fontspec{LucidaHandwriting-Italic}}
\def\chancery{\fontspec{Apple-Chancery}}
\def\chalk{\fontspec{Chalkboard}}
\def\chalkb{\fontspec{Chalkboard-Bold}}
\def\centuryb{\fontspec{CenturyGothic-Bold}}
\def\courier{\fontspec{CourierNewPSMT}}


例えば、1行目は\mincという名前に、ヒラギノ明朝Pro-W3のフォントを登録します。但し、半角英字と並べる場合に、日本語フォントが少し大きめに感じるので、大きさを95%にスケールしています。ここでフォントの色を指定したり、フォントの属性(ファイルの置かれている場所、書体など)を指定できます。
フォントの名称は、次の何れかの方法で知ることができます。

フォントを指定するには、フォントを変更したいところで上記に定義したフォント・コマンドを書きます。サンプルは次のようになっています。

\red
\minc
ヒラギノ明朝Pro-W3\\[5mm]
\bmin
ヒラギノ明朝Pro-W6\\[5mm]
\blue
\goth
ヒラギノ角ゴシックPro-W3\\[5mm]
\bgoth
ヒラギノ角ゴシックPro-W6\\[5mm]
\magenta
\mgoth
ヒラギノ丸ゴシックPro-W4[5mm]
\orange
{\fontspec[Scale=0.97]{DFPCraftSumi-W9}
DFPクラフト墨W9}\\[5mm]
%
{\fontspec[Scale=0.95]{DFPMaruMoji-W7}
DFPまるもじW7}\\[5mm]
%
{\fontspec[Scale=0.98]{DFPShinTen-W5}
DFP新篆体W5}\\[5mm]
\green
{\fontspec[Scale=0.95]{DFPKanTeiRyu-XB}
DFP勘亭流}\\[5mm]
%
{\fontspec[Scale=1]{DFPGyoSho-Lt}
DFP行書体}\\[5mm]
%
{\fontspec[Scale=0.95]{DFPKaiSho-Md}
DFP中楷書体}\\[5mm]
%
{\fontspec[Scale=1]{DFPLeiSho-SB}
DFP隷書体}


このサンプルをタイプセットすると、出来上がりは次のようになっています。



2. Typeset
LaTeXは本来、texファイルからdviファイルを生成するだけでした。typeset(写植)では、フォントの大きさの情報を含んだtfm (tex font metric)ファイルを参照しながら、テキストや数式のレイアウト情報を含むdvi (device-independent)ファイルが生成されます。それを元にdvipdfmxにより、使用しているコンピュータにあるフォントをdviファイル埋め込んだり、dvipsによりpsファイルが作られます。
XeLaTeXは一部のフォントを探すために、「ドライバ」をMac用のデフォルトである xdv2pdf から xdvipdfmx に変更する必要があります。そのために、XeLaTeXのコマンドにオプションを加えて以下のようにします。

xelatex --output-driver="xdvipdfmx -q -E" foo.tex

(xelatexの実行ファイルがあるディレクトリにパスが通っていなければならない。)

TeXShopでは、このコマンドの実行は、ユーザ・ホームディレクトリにある「ライブラリ(Library)」>TeXShopフォルダ>EnginesフォルダにあるXeLaTeX.engineに書かれたスクリプトにより行われます。デフォルトを次のように書き換えておきます。

#!/bin/tcsh

set path= ($path /usr/texbin /usr/local/bin)
xelatex "$1"
この行を
xelatex --output-driver="xdvipdfmx -q -E" "$1"
とする。


pTeXとXeTeXを共存して使う場合、コマンドラインでは入力するコマンドでどちらを使うのか区別できますが、TeXShopで使う場合には、コードとタイプセットするソフトを指定しなければなりません。通常は、TeXShopの環境設定で行いますが、ファイル毎に設定をし直すのも面倒です。通常は、日本語コードを「Japanese(ShiftJIS)」に、実行ファイル(設定プロファイル)をpTeX(Shift-JIS)にしておいて、texファイルの先頭行に次の2行を書き込んでおけば、TeXShopが設定よりこれを優先して処理します。(TeXから見ればコメント行です)

%!TEX encoding = UTF-8 Unicode
%!TEX TS-program = xelatex





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